フランシスコ・ザビエルの苦悩
ザビエル日本へ
16世紀、ヨーロッパでは宗教改革運動を始めとして、カトリック教会から分離する動きがあった。プロテスタントの出現やイギリスのピューリタン革命などにより、ローマ教会（カトリック）は勢力を弱めていた。そこでキリスト教を東洋への布教する為にフランシスコ・ザビエルはマレー半島のマラッカにやってきた。ザビエルはマラッカで薩摩で殺人を犯し逃れ、自分の犯した罪に苦悩していた武士のヤジロウをポルトガル船の船長に紹介される。ザビエルはローマのイエズス会に、日本人は知識欲旺盛で最高の国民で、理性豊かだとポルトガル商人から聞いたと報告している。
期待をもってヤジロウとヤジロウの故郷、鹿児島に上陸した。
日本に到着したザビエルは期待通りだったようで、「この国は豊かで肥沃な大地で、この国の人びとは今までに発見された国民の中で最高であり、日本人より優れている人々は異教徒のあいだでは見つけられないでしょう。彼らは親しみやすく、一般に善良で悪意がありません。驚くほど名誉心の強い人びとで、他の何ものよりも名誉を重んじます。彼らは無知の故に仏教や神道などの誤謬の中に住んでいるが、大部分がキリスト信者になることを、イエズス・キリストにかけて期待しています。」と伝えている。
デウスは祖先に対して無慈悲である
薩摩から京に向かうザビエルの期待は長州に入ったときに裏切られることになる。
日本人は無知ではなく、知性があり過ぎたのだ。キリスト教の当時の教義を聞いた日本人の大半が教義の中の不合理に気づきザビエルに追究します。
「それほどにありがたい教えが、何故今までに日本に伝わらなかったのか？
洗礼を受ければ救われると言うが、洗礼を受けずに亡くなっていったご先祖様は地獄に落ちているのか？」
その質問に対し、ザビエルは教義どおり洗礼を受けていないものは皆地獄だと答えます。
「貴方が信じる神様は随分無慈悲だし無能ではないでしょうか？全能の神というのであれば私のご先祖様くらい救ってくれてもいいのではないでしょうか？」
ザビエルは困ってしまい、
「日本人の文化教養の高さは非常に高く、よほど立派な宣教師でなければ日本での布教は苦労するでしょう。」
と伝えている。
昔の日本の教育
鎌倉時代にはすでに学識僧により仏教寺院や禅宗寺院での教育や金沢文庫も存在しており、室町時代には足利学校が再興してます。
高野山や比叡山もあり、庶民の間でも猿楽・狂言・連歌・茶道など広まってました。
領主や地主から領地の一部を借りて経営していくためには読み・書き・計算などが必要と考えられるようになり、農民が書く土地証文などの数も増え、文字が庶民にまで普及するようになりました。
江戸時代に寺子屋が広まる前に既に日本の教育水準や識字率は非常に高く、世界と比べると１番とまで言える状況とも言えます。
ザビエルにとっては日本人はの知能には恐ろしく感じたのかもしれないですね。
何せ日本には「ライト兄弟よりも先に飛行機の原理を発見した人物」二宮忠八や数多いからくり人形もあり、新幹線や乾電池など昭和に生み出した商品の数々があります。
昔の日本は世界一頭がよかったと言っても不思議ではないですよね。
