ホームページのパクリ
東京オリンピックエンブレムパクリ疑惑
このニュースを見ていた全国のデザイナーは一般の方とは違う見え方だったのではないでしょうか?
- これはパクリだよ!
- 似すぎだよ!
- まねたでしょ!
という一般の意見や、
- 似ているが違うデザインでしょ。
- これダメなの!?
というデザイナーの意見。
皆さんは何がダメで何がいいのかわかりますか?
- 同じ色使っちゃダメなの?
- 形が似ていちゃダメなの?
- たまたま似ちゃったらどうするの?
現在最も多くのロゴを作っているのはホームページのデザイナーでしょう。
もしホームページ制作の仕事をするのでしたら基本的な法律やルールを理解しないといけません。
著作権法第2条1項1号
著作物の定義とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」
ホームページのデザインの違いはレイアウトと配色、ロゴです。
ホームページが、「思想又は感情を創作的に表現したもの」かを考えます。
まず、レイアウトは「創造的に表現」したものではなく、あくまでも「表示方法」です。つまり、レイアウトそっくりに作られてても著作権の侵害にはなりません。
次に配色ですが、「この色の選択は私独自の物」と主張出来ません。配色が似ていたところで、または同じだったとしても著作権の侵害にはなりません。
レイアウトと色が全く同じホームページだとしても、そこに著作権は存在しません。それでは不正競争防止法はどうか?
不正競争防止法2条1項2号
自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為
あくまでも「著名」です。誰でも知っている商品名に限ります。
ロゴの著作権と商標
文字の字体(フォント)で作るロゴですが、応用美術とされてますので、著作物では御座いません。(フォント自体はプログラムの著作物)
つまり、ロゴをどんなに変形した加工物でも著作権は存在しません。
ただし、不正競争防止法2条1項2号は注意が必要です。
一般的には、「ロゴマークは著作権では保護されない」とされています。
文字の字体を基礎とするデザイン書体に創作性を認めることは困難との結論です。
ロゴが「鑑賞を目的とし、実用性を有しないもの」でない限り、著作権は存在しません。
ロゴのパクリを裁判で証明するには、オリジナル作品を元にして(依拠性)、よく似た作品を制作した(類似性)ことを立証する必要があります。
- 依拠性については、既存のロゴを参考に作ったものなのか?
- 類似性については、既存のロゴの表現形式上の本質的特徴部分を、新しい著作物からも直接感得できる程度類似してるか?
が判断基準となります。
似ているとされる2つのロゴの共通部分が「本質的特徴」にあたるのか?
「本質的特徴」以外の部分が共通しているに過ぎないのではないか?
不正競争防止法にも触れない無名なロゴマークをパクったと立証するのはかなり難しいのです。
以上より、ホームページはいくらでも似たものを作られると考えられます。
もし真似られたくなければ、有名になるか商標登録するなどしかございません。
勘違いしているコピーライト
ほとんどのホームページにはコピーライト表記があります。
コピーライトは、無断コピー・無断転載防止、著作権保持者表示、著作物発行年表示が目的です。
ここで無断コピー・無断転載をホームページのHTMLソースやデザインと勘違いしている方が結構多いです。
先に説明したように著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」です。
ホームページにおいての著作物のほとんどは記事です。
ニュースのような事実ではなく、事実に基づいた自分の考え、思想などをつづった文章です。
似た文章はあっても、記事のマルコピをされないように記述します。
また自分で撮影した写真や動画も対象となります。
しかし、実はコピーライト表記が無くても「著作物」は著作権保護されますのでご安心ください。
もしホームページに使用しているブログ記事や撮影した写真や動画、描いたイラストや絵画をそのまま利用や加工利用されている事がありませんか?
イラストについては本当にそっくりでないと今までの裁判では難しいようです。
似たホームページがあるのを気にされるのであればリニューアルをお勧めします。
ホームページリニューアルのご相談はまるごとホームページまで。